2009年12月23日水曜日

冬至

NipponArchives 京都 二十四節気
 一年でいちばんお日さんの沈むのが早い日やなんて気づくこともないままにこの節目を通り過ぎてしまうせわしい時代。 そやからこそ今、昔ながらの暦に光があたる。あらゆる場面で「節」を大事にする日々を今こそ見つめなおすときなのかもしれへん。

 iTunes経由Podcasとして配信されてるWebメディアNipponArchives「冬至」 に秦家(はた け)の神棚「恵方棚」が紹介されてる。わが家の船に乗った神さんの歳徳神に代わって棚の中央には八坂さん(八坂神社)の恵方のお札を置いていただくことも心良う承諾いただいて、まずは安心して取材を受けることになった。ほかに、門松やお煮しめのお重など、少うしばかり秦家のお正月とは違うてるとこが気になるけれど、油つきのなかで揺らめく炎の様は毎年見慣れた元旦風景そのまま。

 師走の気分になかなかなれへんままいるけれど、1週間後にはお餅つき!!
こんな家に居ると嫌がおうででも「節」を意識せざるをえぇへん。

2009年11月29日日曜日

晩秋

わが家のしだれ紅葉

 庭先の紅葉のご機嫌が今年はずいぶんとええみたい。ここ何年か、こんな綺麗に照ったことがなかっただけに朝を迎えるたんび、今朝はどんな色になってるかな。。と、庭先を覗くのが楽しみになってる。

2009年11月4日水曜日

文化の日 公開シンポ

川端康成「古都」=庭のキリシタン燈籠


  古都のイメージ大解剖! 川端康成の「古都」を手がかりに  
と題した公開シンポジウムが昨日11月3日に京都府立大学で行われた。

 写真家のK氏を通して写真掲載の件でNさんから電話をいただいたのはこの夏のこと。ポスターのイメージに選ばれた座敷の写真がたまたま秦家のもので連絡を受けたのや。(20年ほど前、この方の2人の息子さんの担任をしたことのあるご縁)写真の使用目的を伺って、えー、そうなんですか。実は、、 
 今から50年ほど前、この物語を書くにあたって京言葉の取材のために氏が我が家の座敷にみえて、祖父と叔母の2人が応対したことや、ちょうど庭先の降り蹲、キリシタン燈籠のそばにすみれの花が咲いてたこと。などお話。
キリシタン燈籠、すみれの花、小説の冒頭を読んでるとわが家の庭先が浮かんでくる・・。小さなエピソードが発表されることになった。

 

2009年10月16日金曜日

初めての東福寺


東福寺 芬陀院(雪舟寺)
 
 頂いていた招待券2枚を手に東福寺方丈庭園のひとつ芬陀院へ出かけてきた。靴を脱いで上がらせてもろうたら思わず顔が緩んでしまうようなディスプレーが壁際に。。秋の陽射しをいっぱいに浴びた畳廊下を歩いてると自然に心がほぐれていく。お寺を訪れてこんな気持ちになるのは珍しいこと。今度、また来てみたい場所になった。

2009年10月13日火曜日

秋の裏庭

野紺菊とショウリョウバッタ

 奔放に草木の植わってる裏庭の、野紺菊の花畑にはいろんな昆虫が集まってくる。しゃがみこんでみるとゥン、ゥン、ゥンと羽音を立てる数匹のミツバチが蜜を吸うのに忙しそうに飛んでる。この花のまわりをしじみ蝶がクルリクルリ小さい輪を描きながら舞うてるのは毎年見かけてたけど、今年は蝶に代わってミツバチ?何やろ、この秋は・・やっぱり気候の変動も関係してるのかな・・?マークが頭の中をよぎる。(庭先でのほんの些細な出来事やけど、これが気になるもので、ちょっとした変化にも結構機敏に反応しながら暮らしてる)
 
 そう言うたら、この緑色のスマートなショウリョウバッタも新顔さん。去年の秋に初めて裏庭にお目見えして、どこから迷い込んだか、まあ今秋かぎりのことやろと思うてたら、今年はずいぶん仲間を増やしたよう。子どものころ、遠足先の草むらで追いかけたことしかなかった虫が苔のある庭先で跳ねてるのも妙なもんや。
 

2009年10月11日日曜日

色とりどりに

秋の菓子 いろいろ
 
 昨日の午後、「簡単ペン遊び 旅先でちょっとらくがき」 という講座の場に秦家が使われて、23人の人たちが熱心にお絵かきを楽しまれた。出先で印象に残ったモノを記録がてら絵にしていきましょ、というのが趣旨。講師の方や企画スタッフの方との事前打ち合わせで、せっかくなら京都らしいお菓子を用意させていただきましょか。ということになり、いつも何かのときにお願いする二条駿河屋さんへ行ったのは4日ほど前のこと。

 こうこう、こんな企画で使うので・・・とお店の人と相談しながら4種の主菓子と秋らしい干菓子をお願いすることなった。
こんなとき出して見せてもらう菓子帳は、お店が思考錯誤しながら創作されたお菓子の閻魔帳で、お客はこれを見ながら説明を受けて適切なお菓子決める。(但し、こんなオーダーを受けてもらえるのは、そこそこ数の多いときに限ってのこと)
ショーケースに並んだ品を選ぶのとはずいぶん勝手が違うけど、確かな品を届けていただける安心感がそこにはある。(必要な数を受けて作るこの手法には、ほんまに無駄がない。)
 そんなことで昨日の朝、お願いしてたお菓子が届いた。出来立てのお菓子を届けて下さったご主人の艶やかな美しい手につい目がいってしもた。 

2009年10月8日木曜日

何事ものう。。

台風18号 無事に通り過ぎる
 今朝は若干寝不足気味。

 風がうなり声を上げて、ときどき家全体がウン!!っと踏ん張ってた。上から、下から巻き上げてくる風を布団のなかで感じた晩やった。moonはぴったりくっついて寝たふりをしてたみたい。お隣のマンションの通路から表の道に向こうて何かしら、プラスチック製?のもんが、コンコロ、コロコロコロ・・・と転がっていくような音がすると、ムクッと起き上がって耳立てて。大丈夫やで、と猫に声をかけながらも、次の風で何の音がするやろうか、とやっぱり同じように耳を立ててた。救急車、パトカーのサイレンまで、ほんまに賑やかな一夜が明けた。
 嵐は、庭先のまだ青々しい紅葉の葉を何枚かむしり取って通り過ぎていった。雨風が置いていった埃を拭うていかんと。さあ、さあ、後始末。拭き掃除、拭き掃除。
 
 各地に爪あとを残しながら本州を北上してる台風18号。何事ものう、通り過ぎますように。。
 

2009年10月7日水曜日

気になる天気予報

台風18号
 非常に強い台風が西日本に接近

 昨日の夕方頃から天気予報が気になってしようがない。今朝のニュースを見て、念のため、やっぱりやっとかんとあかんみたいやな。
家中の軒簾をビニール紐でしっかり括る。中庭の頭でっかちの棕櫚竹もビニール紐で枝と枝を縛って強風でも倒れへんように養生。二階にあるベランダの南向きの窓には障子が吹き飛ばへんようにベニヤ板を立てて釘でしっかり固定。ガラス戸は風が吹いてもガタガタ音がせんように鴨居の隙間にきっちりと新聞紙を挟む。ガラス戸、障子、襖、建具の類、玄関庭のガラス戸もぴっちり締め切って、とにかく徹底的に風の通り道を塞ぐ。
 
 そんな最中、知人から電話が入る。開口一番、台風、けっこう強いのがくるみたい。て話をしても、へー、そうなんや。と暢気な返事。ニュース、見てへんの。と返しても、関係ないし。と返ってくる。そうなのや、彼女はマンション住まい。そうか、大変やなぁ。て、言われてしもた。。。
 
 やれることは全部やった。あとは何事ものう通り過ぎてくれるのを願うだけ。

2009年9月26日土曜日

花盗人

鴨川の秋草

 秦家の離れが小さなお茶会の席になった。お道具を持ち寄られて準備され、亭主役、およばれ役がときどき入れ替わっての、それは和やかな会となる。
 そんなことで、今朝は9時に錦の川魚屋はんへ頼んどいた鯉と子持ち鮎を受け取りに自転車で走った。そや、ついでに鴨川へ行ってあわよくば何か摘んで帰って来よ。花バサミもカゴにほり込んで出かけた。どんぐり橋、四条大橋、三条大橋をくぐりぬけて、御池通の橋を過ぎたあたりでジュズダマ、ハギ、ミヤコワスレ、クサヨシの4種を見つける。桜ならぬ秋の川辺の花盗人。。

 

2009年9月23日水曜日

試み成功

菊かぼちゃのグラタン

 初めて手にしたかぼちゃ。菊かぼちゃは通常の煮方やと水かぼちゃのようになって今ひとつ・・・。それで今晩は蒸して厚めのクシ切りにしたかぼちゃをお皿に敷き詰め、上から濃いめのホワイトソースをトロリ、パルメザンチーズをたっぷり振りかけオーブンで焼いてみる。そしたら、なかなかの味に仕上がった。かぼちゃの甘みが生きて、皮肌まで美味しい出来て満足、満足。
 
「料理」の語源=物事を上手く処理する 
菊かぼちゃの煮物は料理に在らず、やった。。。

 

2009年9月21日月曜日

籐筵

夏の埃を拭う

 朝から籐筵だけ片付けることにした。6月の建具替えから3ヶ月。つい、こないだ夏支度をしたとこのようにも思うし、祇園囃子の頃が随分遠い日のようにも思うな。そんなこと考えながら、黙々と籐筵の表、裏を雑巾がけしていく。特に出入り口やった部分の裏側は汚れがひどうて、なんべん拭いても雑巾は真っ黒けになる。あんまり汚れるもんやから、つい意地になって拭いて手が笑ろうてしもた。
 久しぶりに顔を出した畳表も拭いた。シューッ!シューッ!と雑巾の擦れる音で調子を取りながら力こめて拭いていくと息も弾んでくる。このときに!おへそのあたりを意識したら!腹筋が鍛えられるのえ!そしたら!労働が!運動に!変わるのや!ほんまやな。しゃべりながら、いつにのう気合の入った拭き掃除。
 掃除は、しんどかった分、気持ちがすっきりとするもんや。
もう、風鈴でもないな。そう言うて、中庭の軒先の風鈴を母が片付けて朝のひと騒動を終えた。
 
八畳座敷の籐筵は巻き上げたら約3.6メートルほどの長さの丸太のよう。

2009年9月20日日曜日

ご祈祷のお供物

紫苑の花と柘榴

 9月19日はご祈祷の日。(1月19日、5月19日、そして9月19日と、年に三回行っている年中歳時)この月にお供えするのは、まっ赤に色づいた柘榴の実と薄紫色した紫苑のお花。ご祈祷が終わると何日間か、家のあちこちに飾って楽しむのも恒例になってる。今年はどこに置いてみよかな。 表通りに面した出格子の内側、摺りガラスの前に置いてみた。1個、2個、3個、4個、柘榴の実をコロコロと並べてみる。フン、フン、なかなかおもしろいやん! と、独り言。
 表へ出るには日よけが欲しいような強い陽射しがあるけれど、家の中やと秋の風は涼しすぎて、もう縁先のガラス戸を開ける気にはなれへん。籐筵の冷たさも冷や冷やと感じるこの頃、ここ数日のうちに「建具替え」かな。。

2009年9月9日水曜日

宮城からの来訪者

料理体験
 こんにちは。 軽装で玄関庭に立たてはった2人は9月1日からずっと旅をして来たという若い女性。ひと月前に、料理を作る体験をしたいからと予約して頂いてたのやった。
 えー、それは長旅ですね。どこへ行って来ゃはったの? はい、神戸から四国へ。讃岐うどんを食べに行ってきました。もう、食べることが大好きなんです!!!そういうわけで、旅先になんとエプロン持参で我が家へ来てくれはったのや。

 献立は事前に伺うてたご希望どおりに、玉子豆腐・おこわ・そして京都らしい野菜の炊き合わせ(ひろうす、茄子、万願寺唐辛子、オクラ)を作る。旅先でのお遊び程度とおもいきや、お出汁のとり方から熱心な質問、そしてこまめにメモも取ったはるのを見て、これはほんまにお料理が好きなのやな。。と思うた。

 あー、もっと近くだったらなあ。ほんまに、今度は寒ーい冬にでも来てくださいね。お待ちしてます。はい、また来ます!!言うて帰って行かはった。今日はこのあと、お箸のいちはら はん 、それから金網屋はんで買い物をしたら、清水さんで夕陽を見る予定なのやとか。ふーん、なかなかしっかりした計画。

 料理の会をこんなふうに活用してもらえるとは、思うてもみいひんかったけど。楽しんでもらえたみたいでほんまに良かったな。と思えた一日やった。
 

2009年9月8日火曜日

到来物

カボチャいろいろ
 昨日、ずっしりと重い段ボール箱が届く。さっそく封を開けた母の弾んだ声がした。まぁ!ちょっとこれ見とうみ。あらあら、ほんまや!!ゴロゴロといろんな顔をしたカボチャが届いたのや。
我が家の走り庭には、ときどき土の香りいっぱいの作物が並ぶ。なんともありがたいこと。(感謝。。)
 写真、右手前から、栗カボチャ、会津菊カボチャ、イーティー、ペポカボチャ とのこと。ラグビーボールみたいな形をした最後方にころがってるペポカボチャは初めて見るカボチャ。調べてみるとその色や形もさまざまあるようやった。どんな食感なのやろか、興味津々。

2009年9月1日火曜日

秋風

ススキの穂

 あっという間に、もう9月。晩、休む部屋も数日前から二階へ移って蚊帳を吊るのも止めてみた。

 朝から運動に大文字山へ行ってきた。ビルに囲まれた車道、鴨川のほとりを走り抜けて銀閣寺の後ろにある登り口までは自転車でおよそ15分、もう山の中を歩いてる。20分ほどかけて登って、しばし休憩。澄んだ空気、山頂ではすっきり晴れた空の下に京都市内を一望できた。麦わらトンボが目の前を横切ったもんやから、追っかけて見てたら、斜面でススキの穂が風に揺れてた。下りは軟弱な足で15分ほどやろか。帰り道、白川通にあるスーパーで食品を買うて帰っても、午前中の用事をまだもうひとつふたつこなせる余裕がある。京都の、こんな動きのできるとこ、かなり気に入ってる。
負荷をかけて思い切り汗をかくことは、怠けた体にはええみたい。いつまで続くかわからへんけど、この運動しばらく続けてみよかな。

2009年8月30日日曜日

里親見つかる

仔猫の新居は太子山町?!
 仔猫の引き取り先が見つかったと電話が入る。この五日間、ご飯や、トイレや、と振り回されたけどキラキラした命はやっぱり可愛いてやっぱり情がわいてしまうもの。見つかって良かった、と安堵する一方でなんとのう気分は沈む。どんなとこへ貰われていくのやろか、可愛がってくれるとこやろか、などと余計なことまで考えて。
 ところが、ところが、貰い手先は太子山町のマンションの住人やて、今朝になってわかったのや!「えーっ!!そうなんや!!!」約束の時間、仔猫を胸元に抱っこしたまま歩いて手渡しに行った。なんていう偶然、おんなじお町内に仔猫は住む、そう思うただけで気持ちが落ち着いた。

 お陰さまで、ほんの5日間の保護で無事に飼い主が見つかりました。
 お騒がせしました。。

2009年8月26日水曜日

仔猫

里親募集

 ひょんなことから小さな命を預かった。moonは、もう気になってしょうがない。いったいコレは何や?ちょっと離れたとこからじっと観察中。

 秦家のブログからのお願いです。
 里親を募集しています.


 仔猫を家族として迎えていただけそうなお話があれば秦家までご連絡お待ちしています。
  
 生後2ヶ月、雄
 毛色・・まっ白、目はきれいな水色、頭頂部にぼんやりグレーの模様
(動物医院にて受診済み。血液検査の結果健康体でした。)

 

2009年8月23日日曜日

宝物

地蔵盆
 朝から買い物。そうや、今日は地蔵盆、用事のついでにカメラも持って出てみよう。そうしたら案の定、あっちの道、こっちの道、細い路地の奥、どの道を行っても、お地蔵さんの前に人が集まったはった。
風景は変わっても、変わらへんものもちゃんとある。素敵なことや。

ずっとこのお町内を見守ってきたお地蔵さん、越してきた新たな住人を見守っています。。

このお町内は、「通行止め」の札も手作り。

ここでは、個人宅の駐車スペースが寄り合い場所になってます。

商店街のなかにあるお地蔵さんの前も人だかり。

線香の香り、鉦の音。竿の先にぶら下がった赤い提灯。ここでは、子供達が紙芝居を聞いてました。

拍子木を叩く男の子。「なぁ、お兄ちゃん、今度は僕もやらせてーな。」「・・・・」ここのお町内では、お楽しみ会を知らせる合図に鳴らしているのでした。

道路を横切る大きな行灯。これは、とても懐かしい! 地蔵盆前になると家々にも小さな行灯も配られました。正面にはその家の子供がクレパスや絵の具で絵を描き、側面には無病息災、家内安全を大人たちが願いをこめて墨で書いたものでした。出来たものは門口にかけておきます。あっちの町内、こっちの町内、と見て歩くのが楽しみだったこと、思い出しました。 

2009年8月22日土曜日

虫の音

コオロギ 鳴く!
 アレッ?コオロギが鳴いてるわ!!と母の声がはずんだ。今晩、裏庭でコオロギが鳴いた。初鳴きやな!!と返事を返す。
 小さい出来事やけど、されど、されど、それは暮らしの大事な節目。

 

2009年8月19日水曜日

火床 ひどこ

大文字さん

 8月16日送り火の日から3日後の大文字さんへ登ってきた。息絶え絶え山頂に着くと夏休みの親子ずれが2組と、運動に毎日登ってきたはる人たちと居合わせる。「今日は、以外に人が少ないですねぇ。消し炭取りに来る人が昨日まではいっぱいでしたけどね。」隣で休んだはったご婦人から話しかけられる。「へー、この炭を持って帰ってどうするんですか?」そばから若いお母さんが質問。(下でやったらなんということものうすれ違うてる者同士やのに、山の上では急に距離が縮まるさかいにおもしろい)「厄除けになる言うて家へ持って帰るんですよ。半紙に包んで、玄関口に吊るすか、置いとくとええそうです。」「いやー、半紙やて、なんか風情ありますねぇ、ちょっと持って帰ろうかな。」厄除け の意味を軽やかに受け止めて、火床で子供達としばし炭拾いをするお母さんたちを見てたら、ついこっちまでその気になって小さい炭の欠片を包んで持って帰ることにした。
 下りの道々、両側の林の中からはツクツクボウシの大合唱。30℃を超える気温でも風は爽やかで、短かい夏が終わっていくのを感じた。お盆がすんだら、とたんに季節は変わり目にさしかかる。なんとも せわしないこと。

 まだ黒こげの色をした火床(ひどこ)を見たのは初めて。十字に置かれた石、大谷石は火に強いことで知られてる栃木県宇都宮の特産物。京都の街なかにもこの石を建物の外壁やら塀に使うたはる家をときどき見かける。目当ての消し炭はきれいになくなってしもてて、小さいのをほん少しだけ拾うて帰った。地元の人はこの消し炭のことを「からげし」て呼んだはるとか。そうか「からげし」、、、おくどさんでご飯炊いた後に竈に残った炭のことも「からげし」て呼んでたな。。
 ちなみに、この火床は精霊を送るための神聖なとこ、あー、疲れた!と腰掛になどしたらバチが当たってお尻がいがんでしまうので気ぃつけましょ。
 

 半紙で包んだからげしは水引きで結んだ。






 

2009年8月16日日曜日

お盆-5

送り火の朝に
 薄曇りのお天気の朝を迎えた。朝一番、最後のお茶とうをお供えしたら、七色、1本しきみ、水鉢、などなどお供物を置いていた台ごと奥座敷の縁先へ。紫色のお線香の煙が静かにくゆりながら庭から天へ向こうて上っていった。
 お線香の煙がたつとこのお供物を昔は川へ流したと聞くけれど、どこに流せるような川があったのやろうか・・。今どきは、近所の公園へ持っていくことになってる。行くと、「お供物用」と印刷されたきれいな縦横50cmほどの大きさのダンボール箱が整然と並んでて、ここにご近所のお供物が集結するとけっこうな量。お盆の行事を大事にしたはるお家は、まだまだたくさんあるのやな。と思うと何かしらホッとする。
 さて、それぞれの家をあとにしたお精霊さんは今晩、送り火に見送られあの世へと帰って行かはる。家の母屋の大屋根の上にあった火の見(火の見櫓)から送り火が見えたのは40年も前のこと。お隣さんも、お向かいさんも、皆、屋根の上に上がったはって、「こんばんわ、もう、点りますかいなぁ。」て声をかけあいながら見送ってお盆を終えたものやったけど、ビルの林にかき消されてからあの火を見んようになってずいぶんと歳月が経った。
 送り火は花火の見物とはちょっと違う。夜の空を焦がして燃え上がる炎に合掌する気持ち、大事にしたいもんやな。。。
 

2009年8月15日土曜日

お盆-4

お精霊さんの献立

 わが家のお盆、何種かの決まった献立を作るのはけっこうややこしい。あれっ、何かしら一品多いかな?という場面もままあって、そんなとき、50年ほど前、母が嫁いで来た頃に記した閻魔帳は今も重宝する。あっちのおばあちゃんのとこはな、門徒物知らず 言うて、ここの家みたいにぎょうさんせんならんことはないのや。と、浄土真宗の家に生まれ育った母は言う。
祖父母、番頭さんやお手伝いさん、年中の歳時のことを母よりも知ってる人たちが大勢同居していた家で、右も左もわからへん母にとって、うーん、さぞかしお嫁に来た当初は大変やったやろうな。帳面を見るたびにそう思う。
 
お盆 お精霊さんのお世話は12日の夕刻から。。

朝、夕・・お茶とう
けんずい(3時のおやつのこと)
夕餉

8月13日
ずいき酢和え・高野、かんぴょう煮物・ナスビ味噌汁
けんずい おはぎ、奈良漬

8月14日
アラメ 揚煮物・ナスビおひたし・とーふ汁
けんずい そーめん

8月15日
小豆飯・おちこ、ぜんまい煮物・さつま芋甘煮
けんずい はすのおこわ、すいか
 
 
 

2009年8月14日金曜日

お盆-3

七色(なないろ)

 蓮の葉の上に色豊かな夏野菜などを盛った「七色(なないろ)」は、お盆の供物として欠かせへんもの。今どきは、お店によって取り合わせ方もずいぶん変わってきてて、大きいさつま芋やお茄子がゴロンと入ったパックものが目立つようになってきた。
 記憶の向こうにある七種の野菜たちは、皆小ぶりで、けど均整のとれた形をしてて、わー、これでままごと遊びしたいなぁ。。と思うたもんや。
 そう、やっぱり、お茄子は小茄子やないとけったいやし、棚落ちのすいかと青柿は必ず入っててほしいな。お盛もんの姿は美しないと、お精霊さんに申し訳ないような気がする。

2009年8月13日木曜日

お盆-3

水鉢

 大きめのお鉢に水を張る。そこへ小さい蓮の葉を一枚浮かべその上に高野槙をのせてお供えする。高野槙の葉はお精霊さんが宿らはるのやとか、、、六道さんへお参りの帰り道で買うて帰るのは祖母のいた頃からの習慣や。
 朝、お茶とう(熱い番茶を供えることを「お茶とう」と言います)を用意して、お光をあげ、おぶったん(仏壇)にお参りすることから一日がはじまる。ショイショイ、セミの声はしてるけど、どことのう静かな朝。お線香の香りが座敷から中の間、そして庭先へ流れていく。今晩からはお精進、物言わへん来訪者に美味しいご馳走を作らんと。。

2009年8月12日水曜日

お盆-2

セミ獲り

 moonの庭遊び絶好調。今朝も紅葉の枝先に飛んできたクマゼミを狙うてる姿は真剣そのもの。カメラを持ってウロウロしても知らん顔で集中してる格好はなんとも愛嬌があって可愛いらしい。もう、お盆やて言うのに!と、言いながら、飼い主の口角も思わず上がってしまう・・。

2009年8月9日日曜日

お盆

お墓参り
 
 昨日の京都は蒸し暑かった!36℃はこの夏最高の気温やったとか。フーッ、蒸し暑ッ!!て、思うたのもつかの間、今朝は雨が降ったせいもあって涼しい風も吹く朝になった。お陰で毎年、油照りの中を出かけんならんお墓参りも難なくすませることができた。
 帰宅後はおぶったん(仏壇)のおみがきもんと掃除をすませて、今日の一日が終わる。明日は、お寺さんへご挨拶に出向いて、それからお盛もん(お供えもの)やらの準備。今週はおしょらいさん(お精霊さん)のお迎えでせわしのう過ぎていきそうやな。
 

2009年8月4日火曜日

暑中お見舞い申し上げます

ようやっと夏本番

青い空に夏雲が浮かんでる。やっと、夏が来た! て、裏庭で咲いてる槿の花が空を見上げてそんなふうに言うてるように思えてしまう。ご機嫌で咲いてるとこをかんにん(ごめんなさい)。今朝もちょっと切らせてもろて、玄関先の花入れに入れた。
 カラッとした風が吹き抜けて、湿気てた家が一気に乾いてるのがわかる。このひと月ほどの、まるで水に浸かったような毎日から開放されるかと思うたら、暑いのに何かしら気分はスッキリや。     

2009年8月2日日曜日

梅干

無事完成

 8月に入ってもほぼ毎日雨が降る。雨の音とクマゼミの鳴き声が同時に聞こえてくる、涼しい風が家の中を吹き抜けてこの夏はまだ扇風機もほとんど使わずにすんで、この夏はほんまにおかしいことだらけ。
 土用の日も見送って空模様とにらめっこして待ったけど、もう、あかん!もう、待てへん!えいやっ!で梅干を干した。そして5日目の今日、何とか例年通りの色に仕上がってホッと胸をなでおろした。

2009年7月19日日曜日

お祭り 終わる

お疲れさん。。。

 MOONにとって受難のお祭が終わった。巡行を終えはった山が解体されていくのと同時にわが家もあれこれ広げた家の中を片づけていく。幔幕をたたみ、段通を巻き、外していた建具を入れて、拭き掃除。開け放してたあいだじゅう気持ちのええ風が吹き抜けてたけど、やっぱり埃もけっこう入ってきてたのやな。。。雑巾がよう汚れること。すっきり拭いて、お蔵を閉めて、夕方頃にはきれいに元どおり。普段の家に戻る。
 あー、ほっこりした。冷たい麦茶を飲みながら、片づけのあとを付いて歩いてた愛猫の姿を探して店の間へ行って思わず笑うてしもた。出入り口横のお座布(おざぶ=座布団のこと)の上は、ここ最近お気に入りの昼寝場所。すっかり安心しきって5日ぶりのお昼寝や。なんちゅう寝方やろか。これは撮ってやらんと!けだるい体のことも忘れて急いで二階へカメラを取りに走った。

2009年7月13日月曜日

お祭りの準備

本日のスケジュール
 8:00~ 
朝ごはんのあと、店の間、玄関、座敷、廊下、拭き掃除。トイレ掃除。
 10:30~11:30
買い物(錦市場 鯖寿司用の鯖、入手確認後、明日の来訪者のための食材、生花(ひおうぎ、ひめがま、ききょう、荒神松)
 13:00~
昼食後、蔵を開ける。(段通、屏風、掛け軸、など祭り用の道具を出す)、はり絵展に使っていただく店の間から、家具などを片付ける。座敷、中の間、玄関まわり、祭りのしつらいに整えていく。
 14:00~16:30
はり絵作品、到着。相談しつつ作品展示手伝う。

 一日、よう動いた。つぎつぎに用事が沸いてくる。あれや、これや、考えながら、だんだんと形が整うていく。あーしんど。けど、そうしてお祭りの形に家がなっていくのは結構楽しい。愛猫のムーンは大変。可愛そうにこの騒ぎに付き会うことを強いられて、普段と様変わりしていく家の中に落ち着ける場所を求めて一日中ウロウロ。

  

2009年7月12日日曜日

今年のお祭り

京町家で<はり絵>京の町家展

 三年に1回、会所飾りを休ませてもろた年は表屋の商家のお祭りの風情を再現してる。幔幕の下がった表の格子越しに、ミセの間、中庭、奥の座敷、奥庭・・ずっと奥まで抜けて見通せてしまうことは、常は考えられへんお祭りならではの景色。
 昨年の祇園祭にふらりとお知り合いと立ち寄られた氏に、「来年のお祭り、よかったらあのはり絵の作品、この店の間においてください。」て、お話しさせてもろたのがほんまになって14日.15日.16日の三日間、作品を置いていただくことになった。明日は朝からその作品を迎える準備に忙しいことになりそう。

2009年7月8日水曜日

鱧寿司 到来

梅雨の水で育つ鱧

 立派な鱧寿司を頂いて、今晩、わが家の食卓は思いもよらんご馳走になった。
 まず、身の厚みをじっくりと眺め、次に香ばしい鱧の香りを確かめて、口の中へと運ぶ。ふーん・・、お祭りの時期に、こんな立派な鱧寿司を食べるのは初めてのこと。美味しいもんやな。お祭り本番を目の前にして、ちょっとお客さんの気分を味わえたような気分になった。
 瀬戸内海に落ちる梅雨の雨水で大きいなった鱧は最高級品やと京の食通は褒め称えはったそうな。今夜の鱧はまさしくその一品。

2009年7月7日火曜日

一輪 開花!

祇園守

 白い大輪の槿(むくげ)、祇園守が今年も裏庭で咲いた。祇園祭の時期に咲くところから名前が付いたそう。このこと、判ったうえで植えたんやない、種を落としてくれたのは庭先へ遊びに来てくれた野鳥で、初めて咲いた年は、花の大きさに「あら、まー大きい槿やこと!」とびっくりして、あんまり美しいさかいにと宵宮の室内に一輪挿しにしておいたら、「やー、祇園守ですね。」とその夜来訪された方から教わったという暢気なことやった。「物を知らん」とは、そういうこと、意味を知ると見方が変わる。恥ずかしさより、知って得したことが嬉しかったな。
 二階囃子もはじまって、鉾の辻には毎晩、笛や鉦の音色が静かに涼やかに響いてることやろ。西南の端のお町内、太子山はまだそんな気配はみじんもない。お祭りの蚊帳の外に居るようなのは昔も今もおんなじや。

2009年7月1日水曜日

お祭り はじまる

吉符入

 今年も庭先の梔子が咲き出した。順々に白い花を咲かせると同時にお祭りの足音が近づいて来る。いよいよ二階囃子(鉾町の会所で行われる祇園囃子の稽古)もはじまるのやな。鉾町のもん(者)のおつむ(頭のこと)の中はそんなふうにイメージを紡ぎながら心待ちのハレの日の準備へと意識は向いていく。
 今日は吉符入、お町内では代表の役員さんたちで会所のお蔵を開けて本尊のたいっさんに無事に一連の行事ができますようにと挨拶をする大事な日。母も朝から出かけて行った。そして終わるとお下がりのお菓子が家々に配られる。年をとおして、決まった日に決まった物を口にすることは結構あるけど、7月1日、祇園さん(八坂神社)の紋の焼印のはいった調布をけんずい(おやつ)にいただくのも毎年のこと。

2009年6月28日日曜日

夏支度

建具替え

 6月18日(木曜日)、建具替えをした。いつもやったら雨の季節、お天気のご機嫌をうかがいながら決行するのに空梅雨の今年はそんな心配をすることものう安定した晴れの日が続いて何らしら拍子抜けしてしもた。障子がのうなって家の中を風が吹き抜ける。棕櫚竹の緑がサワサワ、風鈴がチリリン。そうそう、一昨日の晩から蚊帳の中で就寝と、もうすっかり夏の暮らし。まだ6月やいうのに・・ 

2009年6月16日火曜日

梅雨入りの後

剪定作業
 通り庭の土間から今にも水が噴出してきそうな湿気でジトジトするはずの梅雨時やのに今日もカラリとした天気。不快感に悩まされることのないのは結構なことやけど、何やしらちょっと拍子抜け。冬も、春も、どの季節も皆、確かにおかしなことになってきてる。
 こんな時代、暮らしの暦がきっちりと巡ってきてくれるとちょっとホッとする。馴染みの植木屋はんが来てくれはって庭がさっぱりした。そういうたら、おんなじアングルの写真を何年か前にも撮って雑記帳(2004.6.16記)にUPしたことがあったな・・。

2009年5月7日木曜日

お町内のリクレーション


美山の花山椒

 母の持ち帰った新鮮な花山椒。1パック300円也。なんと安い!!と3パックも買うてきた。錦(錦市場)やと、ほんの少し木箱に入ってて結構ええ値札が付いてて、それでもこの時期になるとその香りがないと寂しいなって、いつもエイヤッ!と気合をいれて買うてる高嶺の花?や。
 5月3日(日曜日)、お町内のリクレーションに母が参加。連休でかなりな賑わいやったそう。いくつかの町が合併して京都府南丹市美山町と呼ばれるようになったけど、北桑田郡美山町 そう呼んだほうが京都の北の山向こうの奥深い里ていう感じがして、耳にもしっくりと馴染んで聞こえる気がする。朝の8時から1日かけての外出は、ほっこりした・・。帽子かぶった母の姿も街なかでは絶対にないこと。山藤がきれいに咲いてたわ。ケロケロ蛙も鳴いてて、やっぱり空気が美味しかった。 とリフレッリュもできたみたい。

2009年4月16日木曜日

琵琶湖の春

小鮎

 桜の花の見ごろも終盤にさしかかると季節はいっぺんに走り出す。小さかった紅葉の新芽も今はすっかり一人前の顔をしてサワサワと風に揺れて、庭先は早くも緑の季節にさしかかってきたようや。
 透明に輝やく小魚は琵琶湖産の「小鮎」。3月、湖畔の芦原で産卵のためにせってくる「もろこ」が早春を連れてきてくれるのに対して、「子鮎」は桜が花びらを散らす4月~新緑の5月をオダイドコ(台所)へ運んでくれる。

2009年4月3日金曜日

桜 咲くころ

おひなさん
 今日はおひなさん。おひなさんの横に供える三色団子と桜餅を買いにお饅屋はんへ走る。いくつになってもこのお菓子を買いに行くときはなんとなしに心が浮き立つようや。一瞬やけど、床の間のおひなさんの前にも小さい春の光が射した。「おばあちゃんのおひなさん、今年はここへ格上げや。。」て言いながら丁寧に毛氈の上に並べてる母の後姿がまるで少女みたいに思えてしもた。祖母のおひなさんはお内裏さんとお雛さんの中に、五人囃子やお道具が全部入って片付くようになってる遊び心あふれた張子のおひなさん。岩絵の具?で色づけされた素朴なおひなさんやけど、なかなかどうして床の間の上で堂々と存在感を醸しだしたはる。こんな小さな人形やのに、昔の手仕事はなんて細やかなのやろか。そう思うてしまう