2010年11月30日火曜日

庭先

今年の紅葉
 「1年、早いですな~」と乗り合わせたタクシーの運転手さん曰く、「京都は葵祭りや、祇園祭や、ほれ送り火や言うて追い立てられるみたいやさかい、よけですわ。」
ほんま、ほんま、そのとおり。年月重ねるごとにこの周期が先、先に見えてしまうようになってくる。上手い具合に冷え込みのある今年はわが家の紅葉も朝を迎えるたび調子よう色づいた。そして、昨日あたりから、チリチリと巻いた葉が飛び石の上に散りはじめた。そしたら、ほれ、明日から月も替わって。。

2010年11月29日月曜日

師走の足音

山田大根

お正月用のお漬物「おくもじ」を漬けるために必要な山田大根を、今年は寺町丸太町下がったとこの八百屋はんで見つけた。皮肌は艶やかできれいやしお手ごろやったので即決やった。
 順調に冷え込んで冬を迎えることを願いながら、長い葉をクルクルと大根に巻きつけて塩だけで漬け込まであと二、三日、こうやって庭先の片隅で陰干しや。

2010年11月22日月曜日

広島に行く

広島・京都文化フォーラム ーゆったり 京暮らし 鄙の暮らしー
 20日(土曜日)、中国新聞社、京都新聞社 主催の文化フォーラム出席のお誘いを受けて広島へ出かけてきた。通り過ぎるばかりで広島駅へ降りたのは初めてのこと。お迎えいただいた車の窓から、60年前、一瞬に時計の針を止められたことを想像することが難しいほど、美しい桜の紅葉を見ながら平和公園の傍を走り抜けた。
 この日ご一緒になった、世界遺産・石見銀山遺跡の町でご活躍の松場さん紺屋を営まれていたお家のゆかりの藍染の古布を守っておられる水野さんのお2人とは待合室で一言、二言お話しただけで緊張の糸はほぐれて、土地柄の違いを超えて通ずる価値感を共有することができたようで嬉しい出会いの日になった。。
 建物の喜ぶ使いよう、手仕事のぬくもり。今の時代、経済効率抜きでは生きていくことは難しいけれど、そればっかり追いかけていては人の心は擦り切れてしまう。。。
 思いはあっても、まだまだ生かしきれていない無力さを感じつつ、しっかりと前を見て歩いてられるお2人から勇気をいただいて帰路についた。

2010年11月21日日曜日

お火焚まんじゅう・みかん・ゆずおこし

秋も終盤。。

 お町内での今年最後の行事「お火焚き」のお下がりが今年もわが家にやってきた。これを見ると、あぁ、いよいよ紅葉も終盤やな。。と思う。そして、奥庭の山茶花の蕾のふくらみようが気になってくる。そして、ピューっと、冷たい風がガラス戸を叩く、、と頭のなかではイメージが浮かぶのやけれど。気温のほうは、午後になると今日も穏やかなもの。過ごしやすいのは結構なことやけれど、この季節ならではの感覚がずれてしまうのはちょっと寂しいような気がする、、。

2010年11月19日金曜日

12月5日(日) 笙を聴く会  ~打ち合わせ~

非時香菓(ときじくのかくのこのみ) 大和橘 色づくころ 
 いよいよ三週間後に近づいてきた「笙を聴く会」の打ち合わせを行なう。
田島さんから紹介いただいた當野康伸さんのご好意で、正倉院の御物にもない象牙の笙を今回お使いいただけるのだとか。笙の形は鳳凰が羽を休めている姿を表わしていて、象牙の笙はそれは美しいのだそう。竹製の笙よりもやわらなか音色とは?。。今から、楽しみ。
 曲目は、雅楽古典曲のほかに現代曲も演奏していただく。ジョン・ケージの遺作、笙のためにチャンスオペレーションという手法を用いて作曲した「ワン9」という曲は、田島さん曰く、「空の雲が流れているような曲」なのだそう。
 菓子の試作も少しずつ方向が固まってきて、5日の会に向けて夜な夜な熱い打ち合わせの時間が和気あいあいと過ぎていった。

2010年11月3日水曜日

晩秋を告げるモノ

ひね【陳】の茄子
 デパートの屋外テント張り野菜売り場から「朝取りの野菜です~」の声。今日は何があるかな。。。なんとなしに立ち寄ってみたら、あれ?、、あれあれ?!。このお茄子、いけるやん!!
 ビニールの袋の中にはカチコチンの不揃いの茄子が十数個入ってて、お利口な値。売れ残ってた3袋全部まとめて買うて帰ってきた。アクの強いひね茄子で作った辛子漬けは、分厚うてコリッとした皮肌の歯ごたえがなんとも言えん美味しい。というか、このお茄子やないとええ辛子漬けは出来ひんのや。

 ややこしい色、形したひね茄子も、ヘタを切ってきれいに水洗いすると立派に食材の顔になる。きれいやな。そんなふうに思う一瞬がなんとも楽しい。

 ちょっと塩は多めに打って塩押しにする。

 一晩もするとずいぶんと水が上がってきて、嵩も半分以下になってしまう。