2010年3月3日水曜日

 旅 ①

島根県 温泉津


 電車を乗り継いでおよそ5時間。無人の駅舎に降り立つ。旅に縁遠い日常を送ってるもん(者)にとってはまさに、井の中の蛙が突然外の世界に放り出された感がある。
 
 中世から湧き出る温泉のある港町「温泉津」は、石見銀山の外港として栄えたという歴史を持ったコンパクトにまとまった町。両側に迫る巨大な岩山を切り開いて敷地を広げていったのやそう。谷筋を沿うようにして艶やかな赤い瓦屋根の家が肩を寄せ合うように並んでる。
 
 この小さな温泉町が、石見銀山の世界遺産登録のお陰で2年ほど人で湧いたそう。にわかに起こった波は必ず引くもの。。温泉津のこれからを考える集まりに呼ばれて来た自分のお話できることは何なのやろか?お湯につかりながら何とのう想いをめぐらせた。
 
 それにしても、やっぱり本物の温泉は体の心からポッカポッカとあったまる。家の浴槽に〇〇の湯の粉末を溶かして入ってるのとは大違い!洗面器預けて、毎日入りに来たはる地元の人は羨ましいですね。て言うたら、そうね。ええよ~ここのお湯は。肩のここらへんが、スーとするよ。一日の疲れがとれるよ。と答えが返ってきた。背中流してあげよ。ほれ、ここに。タワシで背かなをこすったげる。と促されて、亀の子タワシに石鹸つけて、ゴシゴシこすってもろうた。ちょっとヒリヒリしたけど、なんとも親切なこと。歴史ある温泉地のおもてなし。お風呂で見知らん人の背中流すやなんて京都ではまず無い。