2012年9月24日月曜日

土間は気持ちいい~

9月親子会
 昨日の日曜日は午後から9月の親子会を開催。
今月は京都府園部町のNPO法人京都匠塾のお兄さん、お姉さんの指導を受けながら秦家の土間で物づくりの体験。「今日はお茶碗を作りますが、使う人のことを考えて作るようにしようね。」と、物づくりに向う心持ちの教えてもらって挑みました。

入口~店庭~玄関庭~走り庭に20個ほどの轆轤(ろくろ)を並べて準備万端。
 

「マイ箸マイ茶碗づくり」ののぼりが立てられました。
NPO法人京都匠塾では
物づくりの心や楽しさを伝える活動の場を広げておられます。
 この秋には小刀で美しく鉛筆を削る鉛筆削り大会が行なわれるそうです。

 
 店の間で粘土の扱い方、お茶碗を作っていく手順を聞き入る子どもたちの顔つきは皆、ほんとに真剣。ジッと形になっていく様子を集中して見入っていました。「親指と親指をくっつけて、こうやって指先を使って、ゆっくりろくろをまわしながらやさしくのばしていくよ。」『ろくろ』という言葉を初めて聞いた子もいたのかもしれないのですが、さりげなく耳に入っていく生きた言葉にあらたまった説明の必要はないのですね。みんな、フ~ンなるほど。。と、納得の表情。
 
 朝からの雨模様もあって急に気温が下がったので土間に座ると冷たくないか心配しましたが、土と格闘していると身体は暑いくらいです。という声も。知らないうちにみんなどっしり土間に腰を下ろしてお茶碗作りに夢中の時間が過ぎていきました。
 
玄関庭から走り庭を眺めたところ。みんな、マイ茶碗の製作に真剣そのもの。

「これはお父さんの誕生日のプレゼントにするから。」
「私は小さめのお茶碗を作るの。」
土を触っているうちに作品への想いが広がっていくようでした。

小学2年生の作品。りっぱにお茶碗の形に仕上がって。

2012年9月19日水曜日

今年の 正五九 終える

九月の御祈祷

 法華の守護神 三十番神、鬼子母神を床の間に祀る御祈祷は「正五九(しょうごっく)」とも呼ぶとおり、1月、5月、9月、巡ってくるのやけれど、そのたび前の日はいつもその準備に大わらわ。
もう、この雑記帳でもなんべん紹介させてもろうたことになるやろう。
 前日18日、朝から3合のもち米を水に浸けておく。お蔵から燭台、打ち敷き、金襴のお座布団、毛氈、経机、お軸を座敷へ運ぶ。この月に供える決まったお花やお盛り物の調達に自転車で走る。とりわけ九月は柘榴(ざくろ)を頂きに行くのがひと仕事や。
夕方、晩御飯を作りながら、かたわらでは餅つき機に朝に浸けといたもち米をセットしてお餅を搗いといてもらう。(こんなとき、文明の利器はほんまに便利で助かる)。ピーピーピーの合図がしたころには晩御飯は出来てて、チャッチャと2合のお鏡さんとおけそくさん(これは仏さん用の小餅)を作る。晩御飯後、床の間の祭壇をセット。これで、前日の下準は備完了。
 そして今朝、おぶくさん(炊き立ての御飯)をきれいに型にはめて盛り付けたのをお供えして鬼子母神の厨子の扉を広げてお上人の来訪を待つ。

 月参りでは黒い袈裟のお上人も、真っ白いそれに着替えられて、お仏壇のお経のあと床の間の前の祭壇へお経を唱えながら移動されると、優美な法華経からリズミカルな調子のお経に一変。「デデレビ・デデレビ・トウライ・トウライ・トウトウライ・・・」それはまるで遠い異国の言葉のようにも聞こえる。鼓膜に響く拍子木の音が家じゅうに響いて、火打ち石の火花が飛んで「怨敵退散!!妙法蓮華経退散!!!」と唱えられると、そのあたりの空気もスッキリ澄み渡るように思う。
 

2012年9月2日日曜日

9月になって

ホトトギス


 朝、気温がスーと下がったせいで水道の水が生温こう感じた。谷底みたいな裏庭のホトトギスの花が、隣接するビルや土蔵の壁に切り取られた青空を見上げるみたいにして咲きはじめた。
 一歩、表に出るとまだまだ残暑厳しい日差しが照りつけてるけど、耳元に涼を運んでくれてた軒下の風鈴の音に今日は違和感を感じて片付けた。