2012年1月22日日曜日

大寒の音

寒ぼんさん(坊さん)
 大寒の晩、道々を太鼓を叩いて寒行に歩くお坊さんを寒ぼんさんて呼ぶ。悪さする子は寒ぼんさんに連れて行ってもらうえ。と脅された寒ぼんさんの歩く姿を見たことはない。底冷えの京の町なかを寒風といっしょに走り去っていかはる寒ぼんさんの太鼓の音は真冬の暮らしのリズムのなかに組み込まれてたはずやのに、ここ何年か途切れてて、あるべきものが欠けてしもうたようやった。ああ、大寒か。寒さが増したはずやな。と思う。ただそれだけのことなのやけれど。。。
 それが昨日、夕飯の支度をしてたら太鼓の音が聞こえた。 タン!!タンタン!!!タン!!タンタン!!!
「エッ?!!」包丁の手を止めて聞きなおす。もういっぺん、「エッ?!!」今の音、寒ぼんさんか?! そう言うて包丁を置いてくぐり戸を開けて玄関庭に顔を突き出して耳で音を追いかけた。今日、大寒か? 急いでカレンダーを確かめたら1月21日(大寒)と書いてある。今年は来ゃはったんやな。寒ぼんさん!ただ、それだけのことなのやけれど。。。
 それにしてもジョンジョロ、ジョンジョロ季節はずれの雨の音と寒ぼんさんの太鼓の音はミスマッチ。暦は大寒なのやさかい、やっぱりキリッ冷えきった乾いた空気がふさわしい。