2013年4月5日金曜日

旧暦の節句にあわせて


子どもたちと雛飾り 
 伝統建築を学ぶ若い人たちが設計から関わって完成した初々しい木造住宅の中で、年長児から小学生を対象にした催しのお手伝いに出かけた。(主催は京都市。KYOMOは、平成の京町家モデル住宅展示場で、そのグランドオープンフェアの催しとして企画されたもの。)
 
 せっかくなら、本物の室礼(しつらい)をこどもたちと創っていくのが良いのでは。。ということになって、毛氈、掛け軸、たかつき、いちまさん(市松人形)、母方の祖母の入れ子になる素朴なおひなさんも出張。いっしょにお手伝いいただいた女性建築士Nさんのお母さんの抱き人形、美しい手まりなどをお飾りする。

 道具は皆、風呂敷などに包んだままにしておいて、ほどくところからこどもたちがやる。毛氈を敷いて、掛け軸をかけて、人形を置いて、花を入れて、たかつきに菓子を盛って、少しずつ床飾りがおひなさんらしい、はんなりとしてくると、初めはにかみがちに、照れながらいた男の子もそのうち場の雰囲気に馴染んできて。変わっていくその表情、まるでスポンジがお水を吸っていくよう。
 室礼が完成したら、お茶席体験。懐紙、菓子鉢、お茶のお運び、お茶を立てる、飲む、などを順々に。立ちかた、座り方、畳の縁や敷居は踏まずに歩くよう足さばきにも気をつけながら。こうなってくるともう、ふざけ気味やった子までが一生懸命な顔つきになっていて、それがなんとも可愛い。

 まだ木の香りに満ちた床(とこ)に、時を経たモノがしっくりと溶け込んだ室礼もええもの。「こんなシンプルで質感のあるお雛様なら、娘に買ってやってもいいですね。お嫁にも持って行かせてやれるし。」という声も聴けて。若いお母さんたちの今の暮らしのヒントになれば嬉しいことやな。